本拠地の大声援を味方に、広島は押せ押せムード。同点の九回1死二、三塁、背中を押された代打の松山は「とにかく三振はしない。なんとかバットに当てる」とミートに徹した。フルカウントからスライダーを捉え、右前に運ぶサヨナラ安打。最高の形でリーグ優勝へ王手をかけ、フィールドに歓喜の輪が広がった。
競り合いをものにした最大の功労者は、先発の大瀬良だ。四回、ロペスに甘いスライダーを左越えの先制ソロとされたが「そこからは変化球が高めに浮かないようケアして投げた」。手応えを感じた直球をうまく配して流れを渡さず、8回を6安打1失点。127球の熱投を演じた。
リーグトップの15勝を挙げている右腕も、直近の2戦は打ち込まれて連敗中だった。気持ちが入りすぎて空回りし、冷静さを失って痛打されたと自己分析し、この日は「初心に立ち返る。地に足をつけて一人一人を抑えていく」と自分に言い聞かせた。同点の八回2死で筒香を迎えると「甘くなっての一発は避ける」。厳しいコースを突いて四球を与えたものの、続くロペスを直球勝負で空振りの三振にしとめた。
「(大瀬良が)あそこまで頑張ってくれた。勝ちをつけてあげられなかったけど、チームが勝ったので納得してくれていると思う」と殊勲打の松山。
快調なシーズンを支えたチームの勝ち頭が自信を取り戻す快投を見せ、打線が2年前のリーグ優勝時の「逆転の広島」をほうふつとさせる粘りを発揮しての勝利。3連覇のゴールテープまであと一歩に迫った。
(常広文太)
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