2018年8月29日水曜日

日本体操協会「許さない」速見コーチの暴力行為列挙

日本体操協会が29日、都内で、体操女子リオデジャネイロ・オリンピック代表の宮川紗江(18)への暴力行為で無期限の登録抹消と味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)での活動禁止処分を下した、速見佑斗コーチ(34)に関する一連のパワハラ騒動について会見を開いた。

山本宜史専務理事は「たとえオリンピックのためだと言えども暴力は許さない。本人が許容していたとしても、認められない。この考えに基づくものであります」と断言。その上で「7月11日に関係者の報告に端を発し、13年9月から18年5月の間、元所属先の練習場、NTCで他選手いる前で顔をたたく、髪を引っ張る、長時間立たせる、他の選手を萎縮させるほどの暴言」があったと明らかにした。具体的には

◆13年9月 ジュニアナショナル合宿で顔をたたく

◆15年2月 海外の試合で、どなりつける

◆16年1月 海外の試合で顔をたたき顔が腫れ、練習中に怒鳴る行為

◆16年3月 国際大会中にTシャツを引っ張り、引きずり降ろす

◆同6月 怒鳴る行為で頭をたたき注意。日常的に、そうした行為が行われていた

◆17年1月 海外合宿で1時間以上立たせて注意

◆同8月 髪を引っ張り、出入り口に引きずり出した

◆13年9月 NTCで髪を引っ張る

◆18年4月 NTC指導中に大声で怒鳴る

◆同5月 東京体育館のサブ会場で同様の怒鳴る行為

山本専務理事は「暴力を是正しようとする関係者がおりながら、暴力行為が繰り返し行われたのは倫理規定違反で、今回の処分に至った。暴力が行われ、複数の指導者、選手に恐怖感を与えた。被害者本人が我慢しても決して許されるものがない」と速見コーチへの処分の正当性を強調した。

また、同専務理事は「複数の情報が、それ以外にも寄せられている。裁判では必要に応じて証拠を出す予定。これら事実を元に懲戒委員会、常務理事会で審査し、今回の処分。一方、選手への影響を懸念しましたが、代表候補の指導者だからといって暴力が許されるわけじゃない」と重ねて暴力の根絶という目的を強調した。

また「宮川選手が速見氏の指導を受けられないという認識は間違い。指導を続けることが出来ますが、NTCでは速見氏は規則上(指導)出来ない。他の練習場所を確保する必要はある。宮川選手はNTCは使用できます」と、宮川は速見コーチの指導を受けられると重ねて強調した。その上で「真摯(しんし)に反省し、都道府県協会から申請されれば再登録を検討する」とも話した。

また宮川について「宮川選手と今後のサポートについて話し合いたかったが、代理人の両親となった。16日に両親に対し、NTCの練習や、指導者をつけるサポートを提案したが、残念ながら選手と話を持つ間もなく。サポートについて協議させていただく準備はある」とも語った。【村上幸将】

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