
(2日、ベルギー3―2日本 サッカー・ワールドカップ)
互角に渡り合っていたかに見えたが、日本とベルギーとは埋めがたい差があった。
それは、潮目を変える切り札の存在と冷静な戦術眼だ。
劣勢の前半を耐え、後半の立ち上がりに日本は2点のリードを奪った。DF長友はいう。「一瞬、(8強へ)夢を見た」
その思いを打ち砕いたのは、後半20分のベルギーの選手交代。身長190センチ前後の2選手を立て続けに投入し、クロスボールで攻め立てられた。
日本の弱点の一つが、高さへの対応だ。両サイドから、ゴール前にしつこくクロスボールを放り込むベルギーの攻撃に、長友は「点を取られるんじゃないかと怖さを感じた」。
後半24分の1失点目は、CKからのクリアボールに反応した189センチのフェルトンゲンに頭で合わされ、ゴール右隅へ。同29分には、左サイドからのクロスを、途中交代で出場した194センチのフェライニに頭でたたき込まれ、同点に。
思い切った交代策で流れをつかんだベルギーとは対照的に、日本は相手を追い詰める有効な一手が打てなかった。
ベルギーの最終ラインの動きは緩慢で、後半、乾や原口の両サイドのMFがドリブルなどで突けばチャンスになった。だが、前半から攻守に走り回っていた2人は、時間とともにガス欠に。それを分かっていながらも、2人を代えて、もう一段攻めのギアを上げる手立てがなかった。ベンチで敗戦を見守ったFW岡崎がいう。「自分も含めて、控えの選手が切り札になれなかった」
あと少しで届きそうで、すり抜けていった8強入り。DF吉田は「良い試合をしたと、美談で終わらせてはいけない。世界に通用するよう、取り組んでいかないと」。世界との差は、小さいようでいて、まだまだ大きかった。(藤木健)
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