
サッカー日本代表は5日、ロシアから帰国し、日本サッカー協会会長田嶋幸三、代表監督西野朗、キャプテンの長谷部誠が記者会見を行った。
同会見において、西野監督は2-0から逆転負けを喫したベルギー戦を振り返った。
同試合の後、選手にかけた言葉について質問された西野監督は、グループステージ突破後のエピソードを明かしつつ以下のように語った。
「ある“小さい”選手がグループステージ突破を決めた翌日、ミーティングで自分の思いを語った。その時、『ブラジル』という言葉を言った瞬間に言葉を詰まらせていた。おそらくブラジルからの悔しい思いを回想していたのだと思う。私はベルギー戦後、倒れ込んで背中に感じた芝生の感触、見上げた空の色、居心地の悪いベンチの尻の感触を忘れるなと言った。その選手が話してくれたことは、早い段階で世界に追いつけるための姿勢を与えてくれる。私はあの悔しさは感じたことのないものだった。残り30分の、自分の判断に猶予がなかった。3点目がとれるんじゃないかと思った。でも3失点して、何も出来なかった。あれに対抗していくのが世界。とにかく前へ進んで、日々鍛えて修正していかなければいけない。」
自身のベルギー直後に発した「何が足りないんでしょうね」という発言に関してはこう語った。
「ゲームが日本にとって好転している中で、あのシナリオは考えられなかった。判断のスピード感が自分にはなかった。まさかああいう状況になるとは。ベルギーに対して3点目が取れるという自信があり、まさかという30分だった。(あの発言は)選手がというよりは自分に対して自問していたこと。グループステージ3試合目(ポーランド戦)の最後の10分間がそうだったように、チームが一つになれる方向性、それができなかった。自分に対して、何が足りなかったのか。」
これからのサッカー協会に求めることに関しては、アンダー世代の育成、そして国内組と海外組の融合という点を強調した。
「これから日本が爆発的に成長するということはない。アンダーカテゴリ、U-17・20と世界で渡り合える期待ができる。これは育成にたいして働きかけてきた結果であり、単純に漠然とカタールを目指すのではなく、底上げができている。スケールの大きいダイナミックな、日本人らしいボールを使ったサッカーを見せることができる。(今後に関して)海外組と国内組の融合という難しさはある。それはシーズンの仕組みが違うからで、9・10・11月の代表の活動が強化にならないくらいの状況。それぞれ選手たちのステージが違って、20人も海外でやっている彼らとの融合が重要。改善は難しいかもしれないけれど、取り組んでいく」
(文:SPORT)
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