2018年9月22日土曜日

阿部一、妹に負けじと貫禄の連覇 世界柔道

 【バクー=西堀卓司】柔道の世界選手権第2日は21日、バクーで男女各1階級が行われ、男子66キロ級は阿部一二三(日体大)が2連覇、女子52キロ級は初出場の18歳、阿部詩(兵庫・夙川学院高)が初優勝した。日本勢で兄妹の同時優勝は史上初めて。

男子66キロ級を連覇した阿部一(上)。準決勝ではリオ五輪銀の安バウルを破った=共同

 阿部一は準決勝でリオデジャネイロ五輪2位の安バウル(韓国)に延長の末に優勢勝ち。決勝のエルラン・セリジャノフ(カザフスタン)は一本勝ちだった。

 阿部詩は、昨年覇者の志々目愛(了徳寺学園職)に延長の末に一本勝ち。全5試合を一本勝ちと圧倒的な強さを見せた。

 妹の詩が鮮烈な内股で戴冠した余韻が残るバクーの畳。「次は自分がやるしかない」。重圧を感じるどころか、阿部一は決勝で一番のアクセルを噴かせていった。

 ノーシードから勝ち上がってきたカザフスタン選手を問題にしない。電車道の突進から振り回し、早くも相手の顔に憔悴(しょうすい)の色が浮かんでいた1分13秒、タイミング良く右足を跳ね上げ場外に向け転がした。担ぎ技が本領の阿部一が、普段は見せぬ内股で一本勝ち。妹と同じ形で兄妹優勝を完結させた。

 スター誕生を印象づけたのが昨年大会なら、今大会はわずかな隙さえのぞかせぬ王者の柔道を披露した。7月のグランプリ大会(ザグレブ)準決勝で敗れ、国際大会での連勝が34でストップ。「相手に合わせる柔道になっていた」というこの1敗を薬に、常に主導権を渡さない柔道を磨いていった。

 ヤマ場だった準決勝の安バウル(韓国)戦。腰を引いて徹底的に担ぎ技を警戒してくるアジアの強豪とは延長戦にもつれ込んだが、「組み手で自分自身の動きをセーブしながらも、相手の動きを殺して間合いを詰めて。さらに強引に行くところは行けていた」と井上康生監督は冷静な戦いを頼もしく見ていた。じれずギアの上げどころを探り続けた延長戦の2分30秒、ついに十八番の袖釣り込み腰がさく裂した。

 公言してきた「オール一本勝ち」での優勝は妹に譲ったが、技の引き出しを広げ、展開不問の安定感も見せての連覇。東京五輪に向け、この階級で抜けた力を改めて証明した。

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