2018年1月30日火曜日

係争中の春日野親方が理事選へ…まかり通る“両国の常識”

 ■1月30日 初場所は終わったが、裏の土俵では3日後に“決戦”が待ち受けている。2月2日に行われる日本相撲協会の理事選。他のスポーツ団体では誰が理事になろうが一般には無関係だが、相撲はかつての人気力士が出てくるだけに興味をそそるようだ。マゲは切っても番付社会の宿命。裏では激しい足の引っ張り合いもあると聞く。

 外部理事を除く10人の定員に対し5つの一門で9人の擁立候補が決定している。しかし、貴乃花一門だけは流動的で貴乃花親方(元横綱)のほか、もう1人出馬の動きもあるとか。立候補者が11人になると5期連続で投票に持ち込まれるため票の切り崩しにやきもきする一門もありそうだ。

 もっとも八角理事長(元横綱北勝海)体制を支える最大与党、年寄数32人の出羽海一門も一枚岩とはいえない。会合で春日野(元関脇栃乃和歌)、山響(元前頭巌雄)ら現職4人を選んだ。山響親方は故北の湖前理事長の弟子だが、八角理事長と対立する貴乃花親方と深く関わり合いのある親方として知られる。

 「うちの一門はもともと3人しか出せない。考え方が違う人は出ていってくれ」とはっきり言える一門の総帥がいなくなったことで、与党内に平然と野党がいる不思議な構図が続くことになる。過去に部屋で起きた傷害事件で兄弟子の元力士が有罪判決を受けたことが発覚した春日野親方の出馬にも疑問は拭えない。

 この事件で親方も保護責任者遺棄容疑に問われ不起訴になったが、被害者の元力士は3000万円の損害賠償を求めて親方らを提訴し目下係争中だ。そういう身で理事選に出ること自体、世間では考えられない。それでもまかり通るのが“両国の常識”らしい。 (今村忠)

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