2018年1月28日日曜日

ペースメーカー置き去り 冒険策で2位の前田「勇気を持って飛び出した」 自己ベスト5分短縮

 2020年東京五輪の代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」への出場資格を懸けた「第37回大阪国際女子マラソン」(日本陸上競技連盟、産経新聞社、関西テレビ放送など主催、奥村組協賛)が28日、大阪市東住吉区のヤンマースタジアム長居を発着点とする42・195キロのコースで行われ、昨年8月の北海道マラソン優勝者の前田穂南(ほなみ)(21)=天満屋=が2時間23分48秒で2位に入った。

 2度目の浪速路で前田が果敢な挑戦をみせた。牽制し合う先頭集団から25キロ過ぎで飛び出すと、松田にはかわされたものの、2時間28分48秒の自己ベストを5分ちょうど短縮する快走。控えめに「2時間26分切り」と掲げた目標は当然クリアし、12位に終わった昨年から2位へと大きく飛躍した。

 ペースメーカーも置き去りにする“冒険策”に迷いはなかった。昨夏の北海道マラソン優勝ですでにMGC出場資格を得ているため「勇気を持って飛び出して、あとのことは考えずに走った」。前日に策を授けた天満屋の武冨監督は「こういうレースをできるかが課題だった。今後の楽しみが増えた」とたたえた。

 まだまだ伸び代を感じさせる21歳。駅伝の強豪、大阪薫英女学院高では補欠選手だったが「マラソンで世界と戦いたい」との思いが実業団で花開いた。「練習をよくやるし、走ることに貪欲」とは武冨監督。誰よりも走り、一緒に走る先輩から「前田が前に行くとペースが速くなる」と不評を買うこともあるが、武冨監督は「マラソンには大事なこと」と才能を高く買っている。

 2年後の東京五輪を見据え、昨夏からトレーナーの指導のもと筋力強化にも着手。積極策にもペースを落とさず粘り切れた要因にもなった。高校の1学年先輩の松田には敗れたが、「次は絶対に勝ちたい」と力をこめた。楽しみな逸材が、ここにもいる。(大宮健司)

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