<2018 第90回記念センバツ高校野球>
第7日(29日・阪神甲子園球場)
○…2回戦…○
△午前9時2分開始(観衆1万5000人)
富島(宮崎)
002000000=2
10720001×=11
星稜(石川)
星稜が打ち勝った。一回に河井の遊撃適時内野安打で1点を先取。1点を追う三回は打者11人による攻撃で一挙7得点。四回は山瀬の2点適時二塁打で突き放した。三回途中から登板の2番手・奥川が好救援。富島は三回に松浦、中川の連続適時長短打で一時リードを奪ったが、その裏に3失策が響いて大量失点につながった。
星稜の2年生右腕・奥川がピンチを救った。三回、1点を勝ち越されて1死一塁の場面でマウンドへ。「直球を投げて打者の反応(振り遅れ)を見たら行ける」。4番・井本、続く中村をいずれも外角高めの直球で連続空振り三振に仕留めた。
井本が「高めを見極めようとしたが球が伸びてきた」と振り返れば、バットを指1、2本分短く持った中村は「内外角の厳しいところを攻められた」。背番号11の直球が試合の流れを引き寄せ、その裏の大量得点を呼び込んだ。
最速146キロを誇る奥川は昨秋、石川大会準々決勝以降の公式戦7試合全てに先発したが、北信越大会決勝で日本航空石川に0-10で大敗。「(打者に)スピード以上のものを感じさせることができなかった」と、球速だけでは通用しないと実感。冬場は球の回転数アップを目指し、リリースポイントを前に置くことを意識した。文房具のクリップを指先で動かして、球が指先にかかる感触を養った。
石川・宇ノ気中3年生の時、山瀬とバッテリーを組んで全国中学校軟式大会優勝。現時点では林監督の評価は先発した3年生・竹谷の方が高く、エースナンバー「1」も譲った。ただし、この日の「逆転の星稜」を演出したのは、紛れもなく奥川。直球がシュート回転して「調子は良くなかった」というが、本領を発揮すれば星稜にとって大きな武器になる。【佐野優】
納得の3打点
○…星稜の2年生捕手・山瀬が小学生時代からバッテリーを組む奥川をバットで助けた。三回は3点リードの1死一塁で高めのボール球の直球をたたいて、中堅左へ適時二塁打。もっとも、本人は「(ランエンドヒットのサインで)ボール球なので、本当は振ったらいけなかったが、手が出てしまった」と反省しきり。それでも、四回も左越え2点適時二塁打を放ち、計2安打3打点。「振ったらいい所に飛んでくれた」と納得顔だった。
「逆転の富島」の意地 中川大輝右翼手=富島・3年
冷静に相手投手の心理を読んだ。三回に追いつき、なおも無死三塁の好機で打席に入った。カウント2ボール。「必ずストライクを取りにくる」。星稜の先発・竹谷の真ん中の直球を逃さず引っ張って右前に運んだ。甲子園初安打が貴重な適時打になった。
163センチ、68キロと小柄ながら、昨夏まで中軸を任されていた攻撃的な2番打者だ。昨秋の公式戦は9試合でチームトップの14打点。この日も監督から求められる勝負強い打撃を披露した。
出場選手中3位の打率5割5分3厘を残し、バットコントロールも巧みだ。相手投手が奥川に代わった五回1死では、真ん中高めの変化球を逃さず右前へ運んだ。
強豪私学を相手に一時リードし、「逆転の富島」の顔としての意地は見せた。「体で負けていても、気持ちだけは負けたくなかった」。相手チームから最も警戒された打者は甲子園でひときわ大きく見えた。【浅妻博之】
Read Again https://mainichi.jp/koshien/articles/20180330/ddm/035/050/127000c
0 件のコメント:
コメントを投稿