○大阪桐蔭(大阪)14-2伊万里(佐賀)●
大阪桐蔭打線の打球が面白いように次々と外野の芝生で弾んだ。先発全員の20安打。大会記録まであと4本に迫る猛攻は、直球でも球速110キロ台の伊万里の右腕・山口修の「遅球」を攻略したことで生まれた。
象徴的なのが一回、1点先制後の2死一塁で左打席に入った根尾だ。外角チェンジアップを手元まで呼び込んで振り抜き、遊撃手の頭上をライナーで抜く適時三塁打を放った。「緩い球は引きつけて、最後まで見るのが大事」。フォロースルーの大きい振りが伝統の大阪桐蔭だが、この日は一発狙いを捨て、全員が根尾のように球を呼び込んでたたく打撃を貫いた。基本に忠実なスイングのレベルの高さに、山口修は「速い球を覚えたい」と嘆くしかなかった。
基礎レベルが高いのは走塁も同じだ。6点リードの二回1死一塁では、右前打を放った藤原が右翼手の打球処理の遅れを突き、全力疾走して二塁打に。藤原は痛み止めを飲むほどの右膝痛を抱えるが、「(二塁に)行けるなと思ったので行った」と振り返る。次の塁を積極的に狙う姿勢を涼しい顔で遂行し、続く根尾の中前適時打で生還した。
14得点に「大きいのはいらない。小さくつないでいく甲子園バッティングができた」と満足顔の藤原。見据えるのは春3校目の2連覇のみ。横綱相撲で偉業へ勢いをつけた。【新井隆一】
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