2018年5月26日土曜日

選手謝罪に「自筆メモ持参、一貫性ある」 関学大会見

 憤りは収まるどころか、ますます強まった。アメリカンフットボールの定期戦で起きた悪質な反則行為。危険なタックルをした日本大の宮川泰介選手と内田正人・前監督らの主張が食い違う中、関西学院大は26日に開いた会見で、再回答書の矛盾を突き「宮川君の話に信ぴょう性がある」と、日大の指導者を再び非難した。

 日大から24日に届いた9ページに及ぶ再回答書も、疑念の払拭(ふっしょく)には役立たなかった。鳥内秀晃監督らが強調したのは、日大の井上奨・前コーチが「1プレー目でQB(クオーターバック)をつぶしてこい」と選手に指示した点だ。

 「『相手をつぶせ』は『関学に勝て』と同じ意味と理解できるが『QBをつぶせ』という表現には、結果として負傷させる明確な目的が示されている」との見解を示し、鳥内監督は「まして(条件を絞り)『1プレー目で』というのは異常」と強い口調で断じた。

 さらに日大の井上前コーチに対しても、鳥内監督は「(23日の会見では)監督の存在を気にして話をしていたと感じる。はっきり真実を語ってほしい」と、監督とコーチの関係性にも疑問を呈した。

 関学大の小野宏ディレクターは、宮川選手から直接謝罪を受けた際に「自ら手書きで書いたメモに基づいて話し、会見との一貫性も高い」と評価。競技を離れる意向を示していることに関し、鳥内監督は「私としては続けてほしい。救う方法はないのか、と毎晩考えてしまう」と苦しい心境をのぞかせた。

 1時間半に及ぶ関学大アメフット部の会見に続き、負傷選手の父親で大阪市議の奥野康俊さんがマイクの前に座り「憤りから不信感、今は悲しみに変わっている」と失望を口にした。「すべて正直に話してくれた」と、宮川選手の謝罪を踏まえて一時は大阪府警に提出していた被害届の取り下げを準備したというが、日大側の不誠実な対応で再考し「宮川選手への寛大な処置を求める嘆願書を集める」と表明した。検討している刑事告訴についても「選手の名前を含めなければ受理されず、本当に悩ましい」と複雑な表情を浮かべた。(山本哲志)

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