日本大アメリカンフットボール部の悪質反則問題で、関西学院大アメフト部は26日、兵庫県西宮市のキャンパスで記者会見を開き、内田正人前監督らの指示が確認できないとする日大の再回答書について「多くの矛盾があり、真実とは到底認識できない」との見解を明らかにした。日大との定期戦を当面取りやめるとし、捜査機関による真相究明を要請。両大学の亀裂は決定的となった。
関学大によると、日大は24日付の再回答書で内田前監督には「反則行為を促すような指示や言動は確認できない」と主張。「つぶせ」という言葉は「反則を容認するものではなく、犯罪としての傷害を指示する意図の発言ではない」と説明した。井上奨・元コーチの指導についても「相手選手にけがをさせる意図とは結論付けられない」とした。
危険なタックルなどの反則をした日大選手(20)は22日の記者会見で、井上元コーチを通じて内田前監督から「相手のクオーターバックをつぶせば試合に出してやる」と指示を受けたと説明。井上元コーチからは「相手がけがをして秋の試合に出られなかったら得だ」とも言われたと訴えた。
再回答書でも食い違いが明確となるなか、関学大アメフト部の小野宏ディレクターは「選手と監督らとの間で認識に乖離(かいり)があったとすればすぐに選手に理由を確認するのが当然だが、そうした動きがなく極めて不可解」と指摘。同部の鳥内秀晃監督は「(反則をした)選手が真実を語っていると思う」と述べた。
内田前監督や井上元コーチは23日の記者会見で選手への指示を否定したが、小野ディレクターは「発言を信じるには根拠が不足している。選手の安全、安心を担保できない」とし、1967年以降今年まで51回続いた日大との定期戦の中止を表明。「最終的には捜査機関によって真相が究明されることを強く希望する」との見解を示した。
記者会見に同席した負傷選手の父、奥野康俊さん(52)も再回答書について「(反則した)選手に責任を押し付け、矛盾や疑義があり受け入れられない」と憤りをあらわにした。負傷選手の被害届を受け警視庁が捜査するとみられるが、日大選手が重い刑事責任を負わないよう求める嘆願書を検察に出すことを明らかにした。
一連の問題の詳しい事実関係については日大が所属する関東学生アメリカンフットボール連盟の規律委員会が調査しているほか、日大も第三者委員会を設置し調べる方針。
■日大「厳しい批判お受けする」
日本大は26日、関西学院大アメフト部の記者会見を受け、「厳しい批判は甘んじてお受けする」とのコメントを出した。既に第三者委員会の設置作業を進めているとした上で「真相の解明は今後の委員会の調査と結論に全て委ねる」と説明。捜査機関に被害届が出ていることにも触れ、「捜査には全面的に協力していく」としている。
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