日本大アメリカンフットボール部の守備選手が悪質な反則をした問題で29日、日大アメフト部選手一同が父母会の代理人を通じて声明文を発表し、謝罪した。監督やコーチの指示に「むやみに従ってきた」ことが今回の事態を招いた一因とした。危険なタックルをして謝罪会見を開いた守備選手の復帰を願う内容も盛り込まれた。
内田正人前監督らから追い詰められた状態だった守備選手について「手助けすることができなかった私たちの責任はとても重い」とし、指導陣との間や選手間のコミュニケーションが十分でなかったことを反省した。
部の指導体制も含めて再生できたと認められた場合は他校とプレーできる機会を求めた。さらに「もし可能であれば、一緒にプレーできれば」と守備選手への思いをつづった。
今後、捜査機関による捜査や日大が設置する第三者委員会の調査が行われたときには全面的に協力する姿勢を示した。
声明文の全文
日大アメフト部の選手一同が発表した声明文の全文は次の通り。
本年５月６日に行われました関西学院大学アメフト部と、私たち日大アメフトの第51回定期戦での私たちのチームメートの反則行為について、けがを負ったＱＢの選手とご家族の皆さまにお見舞いを申し上げるとともに、関学大アメフト部関係者の皆さま、関東学生アメリカンフットボール連盟その他の関係者の皆さまに、多大なご迷惑とご心労をおかけしてしまったことを、私たち日大アメフト部選手一同、心よりおわび申し上げます。本当に申し訳ありませんでした。
また、私たちの行為によりアメフトという競技そのものへの信頼が損なわれかねない状況に至ってしまったことについて、アメフトを愛する全ての皆さま、そして社会の皆さまに深くおわび申し上げます。
今回の件が起こってから、私たちはどうしてこのようなことになってしまったのか、皆で悩みながら何度も話し合ってきましたが、まだ明確な答えが見つけられたわけではなく、これからも話し合いは続けていきたいと思います。
また、これから捜査機関による捜査や大学が設置する第三者委員会の調査が行われるようですので、私たちも全面的に協力して、その結果も待ちたいと思います。
なお、それらの捜査・調査に際しては、関係者の皆さまにも、私たちが信じているチームメートのように、誠実にありのまま全てをお話しして、その責任をしっかり受け止めていただきたいと思っています。
ただ、少なくとも、私たちは私たちの大切な仲間であるチームメートがとても追い詰められた状態になっていたにもかかわらず、手助けすることができなかった私たちの責任はとても重いと考えています。
これまで私たちは監督やコーチに頼りきりになり、その指示に盲目的に従ってきてしまいました。それがチームの勝利のために必要なことと深く考えることもなく信じきっていました。また、監督・コーチとの間や選手間のコミュニケーションも十分ではありませんでした。そのような私たちのふがいない姿勢が、今回の事態を招いてしまった一因であろうと深く反省しています。
私たちは、日大アメフト部全体が生まれ変わる必要があることを自覚しています。今後、具体的に何をしていかなければならないかについては、これから選手一同とことん話し合って決めていきたいと思います。
ただし、絶対に必要だと今思っていることは、対戦相手やアメフトに関わる全ての人々に対する尊敬の念を忘れないこと、真の意味でのスポーツマンシップを理解して実践すること、グラウンドではもちろんのこと、日常生活の中でも恥ずかしくない責任ある行動を心がけるなど常にフェアプレー精神を持ち続けることを全員が徹底することです。
そのために何をしていく必要があるのか、皆さまにご指導いただきながら、選手一人一人が自分自身に向き合って考え抜くとともに、チーム全体でよく話し合っていきたいと思います。
そして、いつか、私たち日大アメフト部が、部の指導体制も含め生まれ変わったと皆さまに認めていただいた時には、私たちが心から愛するアメフトを他のチームの仲間たちとともにプレーできる機会を、お許しいただければありがたいと思っています。
また、そのときには、もし可能であれば、私たちのチームメートにも再びチームに戻ってきてもらい、一緒にプレーできればと願っています。
私たち選手一同の今の思いは以上のとおりです。私たちは、今回の件の深い反省のもと、真剣に、謙虚に、一丸となってチーム改革を実行していく所存ですので、どうかご指導のほど、よろしくお願い致します。
平成30年５月29日 日本大学アメリカンフットボール部選手一同
〔共同〕
Read Again https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31106650Z20C18A5CZ8000/
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