日本相撲協会は25日、元横綱日馬富士関の暴行事件で、被害者の平幕貴ノ岩関の師匠、貴乃花親方(元横綱)が東京都内のホテルで協会危機管理委員会の聴取に初めて応じたと発表した。
貴乃花親方側の弁護士が同席して約2時間行われ、自らの行動の正当性を主張したとみられる。危機管理委関係者によると、聴取は今回限りという。
28日に開く臨時の理事会と評議員会で同親方の処分を協議する。
貴乃花親方は20日の臨時理事会で、正当性や貴ノ岩関の主張を盛り込んだ文書を配布した。協会関係者によると、聴取でも同様の意見を述べたという。
春日野広報部長(元関脇栃乃和歌)によると、貴乃花親方から25日に連絡が入り、約2時間実施。聴取は危機管理委の高野利雄委員長(元名古屋高検検事長)や協会の鏡山危機管理部長(元関脇多賀竜)らが務めた。
春日野広報部長は「やっと協力をいただいた。まだ(高野委員長からの)報告を聞いていないので判断できない」と述べた。八角理事長(元横綱北勝海)は「何とも(言えない)」と言葉少なだった。
貴乃花親方は巡業部長を務めながら秋巡業中の事件の報告を怠り、貴ノ岩への聴取要請を何度も拒否したことが問題視されている。
貴ノ岩の聴取は19日に実現した。関係者の中では貴乃花親方への聴取だけが残っていて、20日の臨時理事会では親方への処分は先送りされた。
この理事会で事件現場の酒席に同席した白鵬と鶴竜の両横綱は減給処分を受け、元日馬富士関の師匠だった伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は理事を辞任。八角理事長は残り任期3カ月の報酬返上を決めた。

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