映画「スター・ウォーズ」のテーマ曲に乗って登場した日本ハム・清宮には風格すらにじんでいた。「6番指名打者」でついに入った二回のプロ初打席。「いつも通り、平常心で入ることができた」という言葉に何のてらいもなく、悠然と構えて2球を見逃した。
3球目の外角直球を初スイング。直前に球界屈指の制球力を持つ楽天・岸に内角カーブを見せられていても振り遅れない。広い札幌ドームでなければスタンドに届いたであろう打球は中堅フェンス上段に直撃し、二塁上で少しはにかんだ。
2、3打席目は岸のチェンジアップで三振。ぎゅっとブレーキのかかった球筋はもちろん「裏を突かれる配球だった。次に当たった時の宿題かな」と捕手の嶋を含めたバッテリーにトップのレベルも肌で感じ取った。
オープン戦は19打席安打のないまま腹膜炎で1軍を離脱。注目を浴びる身でしゅんとなって当然の結果でも、堂々とした様は新人離れしていた。何より選ばれた打者だけが持つ「雰囲気」にあふれた打席での立ち姿。より重圧のかかるこの日の舞台でも、何ら変わることはなかった。
試合後は「何かあったときは、あのときの心境を思い出せるようにしたい」と記念の一打も素直に胸に刻みつつ、好機で凡退し、チームも敗れた反省から、笑みはわずかにとどめた。「うれしいこと、悔しいこと、いろんなことが詰まりすぎた一日。次こそチャンスで打ちたい」。無限の可能性を感じさせ、球界の宝が第一歩を踏み出した。(西堀卓司)
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