2017年12月1日金曜日

貴乃花親方巡業行かせん 協会来週にも聴取「理事として応じる責務がある」

 日本相撲協会は30日、東京・両国国技館で定例の理事会を開き、巡業部長を務める貴乃花親方(元横綱、45)の冬巡業(3~17日)不参加を決めた。都内に待機させ、速やかに聴取するのが狙い。鳥取県警の捜査終了を待って、貴乃花親方が負傷した弟子の幕内・貴ノ岩(27)とともに早ければ来週にも協会の聴取に協力する意向を示したことも明らかにした。引退した元横綱・日馬富士(33)=伊勢ケ浜=の暴行問題は、20日に臨時の横綱審議会と理事会を開き、危機管理委員会の最終報告を受ける。

 ついに貴乃花親方が巡業部長の“権限”を剥奪された。理事会は顔触れを公開し、非公開で始まった。貴乃花親方は八角理事長の正面に座り、決定事項の議論に参加した。通常1時間で終わる会議は3時間半にも及び午後4時半前に終了。理事長に加え、尾車事業部長、鏡山危機管理部長、高野危機管理委員長が出席した会見では、異例の決定が明かされた。

 尾車部長が貴乃花巡業部長が3日の長崎・大村から始まり、17日の沖縄・宜野湾で終わる冬巡業に同行しないことを発表した。八角理事長は「対応があるから。そういうこともあって、休んでもらうことになった」と説明。巡業の混乱を避けて貴乃花親方を都内に待機させ、貴ノ岩ともども速やかに危機管理委員会の聴取に呼べるよう、態勢を整えた。職務を放棄させるのは異例の措置だが、尾車部長によると「貴乃花親方も納得しておられた」と決定を受け入れたという。

 巡業部長の行動を制限した背景には、新たな動きがある。高野委員長は、貴乃花親方が危機管理委員会の聴取に協力する意向を示したと明かした。「現時点では貴ノ岩の聴取の承諾を得ていない。今後も要請するが、本日、貴乃花理事から警察の捜査が終わった段階では協力する、と言われた。最後まで待ちたい」。鳥取県警は早ければ来週にも傷害容疑などで日馬富士を書類送検する方針。捜査終了を待って聞き取りに呼ぶ。

 尾車部長は20日に臨時の横審と理事会を開き、危機管理委員会の最終報告を受けることも明かした。「引退した日馬富士に対して懲戒は行えないが、再発防止のために妥当な懲戒処分を(横審に)聞き、理事会の結論とする」と運用指針に盛り込む考え。来年初場所(1月14日初日・両国国技館)への影響を考慮し、年内に解決へのめどを付けたい。高野委員長は「相当程度、解明は進んだと考えている」と手応え。情報開示を20日に設け、貴乃花親方に協力を約束させたことで、事態収拾を図る。

 貴乃花親方の非協力的な態度は問題視され、親方衆の間では「冬巡業に帯同させないだろう」との見通しも多かった。八角理事長による暴力再発防止の講話(28日)では席上、白鵬が力士を代表して「貴乃花巡業部長のもとで冬巡業には参加できない」と発言。新たな対立の構図が浮かび上がった。

 理事会終了後、貴乃花親方は表情を変えずに無言。夕方、部屋に戻った際も警察官の交通整理を受けながら、報道陣の質問に反応しなかった。

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