角界を揺るがす暴行騒動を起こした元横綱日馬富士(33)の電撃引退から一夜明けた30日、日本相撲協会の理事会が東京・両国国技館で行われた。
八角理事長(54=元横綱北勝海)ら協会執行部とともに、日馬富士から暴行を受けた幕内貴ノ岩(27)の師匠、貴乃花親方(45=元横綱)も理事の一人として出席。協会から再三にわたって要請された貴ノ岩への調査協力をことごどく拒否しており、注目の会合となった。
しかも、相撲協会から報道陣に配布された席次表では、八角理事長の真正面に貴乃花親方が座り、同親方の両サイドには協会執行部の尾車親方(60=元大関琴風)、鏡山親方(59=元関脇多賀竜)、春日野親方(55=元関脇栃乃和歌)が居並んだ。まさに協会執行部による〝貴乃花包囲網〟と言っていい席順だ。
午後1時から始まった理事会は4時過ぎに終了。実に3時間を超えるロングランとなった。会議を終えた貴乃花親方はカッと目を見開き、現役時代の土俵上をほうふつさせるすさまじい形相で車に乗り込むと国技館を後にした。
午後5時半から始まった会見には八角理事長、尾車理事、鏡山理事、高野利雄理事(元名古屋高検検事長)が出席した。冒頭に八角理事長が「お騒がせしてすみません」と謝罪し、危機管理委員長の高野理事が騒動の中間報告を説明。理事会では、貴ノ岩への聴取を断ってきた貴乃花親方から「警察の捜査が終わった(日馬富士の書類送検)後に協力する」との言質を得たという。
その後に尾車理事が、巡業部長の貴乃花親方が3日から始まる長崎・大村市での冬巡業に同行しないことを発表。代わって広報部長の春日野親方が担当するとした。尾車理事は「本件(騒動)への対応もあるし、巡業の勧進元の方々や地元のファンのことも配慮して」と理由を説明。さらに「この騒動の中で多くのマスコミが押しかけるでしょうから、見に来ているお客様や土俵のほうがおそろかになってもいけない」と判断し「今回の問題の対応もあって、休んでもらった」と語った。貴乃花親方も納得していたという。
今後、協会は20日に臨時理事会を開き、暴行問題の最終報告を行う。そこで日馬富士の師匠の伊勢ヶ浜親方(57=元横綱旭富士)の監督責任および、貴ノ岩の師匠・貴乃花親方が騒動の報告義務を怠ったことなどについて処分が下される見込みだ。

0 件のコメント:
コメントを投稿