2017年11月28日火曜日

処分「厳しく」が大勢 横審、判断見送り

横綱審議委員会後に記者会見する北村正任委員長。右は理事の春日野親方=東京都墨田区の両国国技館で2017年11月27日午後6時38分、宮武祐希撮影

 大相撲の横綱審議委員会(横審)が27日、東京・両国国技館で開かれ、26日が千秋楽だった九州場所中に発覚した横綱・日馬富士関(33)=伊勢ケ浜部屋=による前頭・貴ノ岩関(27)=貴乃花部屋=への暴行問題について審議された。日本相撲協会から経過が報告され、北村正任委員長は「まだ中間的な内容」として横審の判断は示さなかったが、関係者の話では、厳しい処分を求める声が大勢を占めたという。横審は、協会の危機管理委員会や警察の捜査を受けて、臨時の会合を招集し、引退勧告を含めて検討する方針。

 北村委員長は「暴力はほぼ間違いない。協会として暴力をなくすという努力の中で今回の問題が起きた。厳しい処分が必要だろうという意見になった」と現段階での見解を示し、他にも「今の時代、暴力は絶対にだめだ」と言う委員もいたという。日馬富士関は鳥取県警の聴取に対して暴力を振るったことを認めている。

 また、協会の危機管理委員会で進めている調査に対し、貴ノ岩関の師匠、貴乃花親方(元横綱)が協力を拒否していることについて、北村委員長は「横審のらち外の問題」と述べた。

 今回の会合には9人のメンバー全員が出席。協会からは八角理事長(元横綱・北勝海)や鏡山危機管理部長(元関脇・多賀竜)らが出席した。【村社拓信】

横綱審議委員会メンバー◇ 

北村 正任◎毎日新聞社名誉顧問

宮田 亮平 文化庁長官

岡本  昭 岡安証券最高顧問

矢野 弘典 産業雇用安定センター会長

高村 正彦 自民党副総裁

杉田 亮毅 元日本経済新聞社社長

勝野 義孝 弁護士

山内 昌之 東大名誉教授

都倉 俊一 作曲家

◎は委員長

 【ことば】横綱審議委員会

 日本相撲協会の諮問機関で、1950年に設置された。外部の有識者らで横綱推薦や横綱に関する案件を審議する。委員は15人以内で、現在は9人。年3回の東京場所前に稽古(けいこ)総見、場所中に本場所総見を行うほか、各場所後の年6回、定例の委員会を開く。横綱に対し、(1)休場が多い(2)横綱としての体面を汚す(3)成績不振--の場合、委員の3分の2の決議で激励、注意、引退勧告などができる。横綱推薦の条件は、大関で2場所連続優勝か、もしくはそれに準ずる成績と内規で定められている。

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