巨人が、フリーエージェント(FA)権を行使した西武・野上亮磨投手(30)の獲得に成功したことが27日、分かった。水面下で交渉を続け、この日、野上側が移籍する意思を西武に伝えたもよう。関係者の話を総合すると、3年契約で総額4・5億円の条件で合意に達したという。今季14勝を挙げたマイコラスの去就が不透明な中、ローテーションを守れる野上の存在は、V奪回への近道となる。
電光石火の交渉劇だった。巨人・鹿取GMが、FA宣言した野上の獲得に乗り出す意向を示してから、わずか2日。水面下での交渉を行っていたことが判明し、獲得へとこぎ着けた。この日、野上側が、宣言残留を認めていた西武側に、巨人へ移籍する旨を伝えたもようで、事実上の入団が決定。近日中にも正式発表される見通しだ。
成長著しい右腕だ。今季は西武のローテーションを守り続け、11勝10敗。9イニングに換算した1試合平均の与四死球率1・81は、パ規定投球回以上の13選手の中でNO1だった。努力家で知られ、投球や打球の回転数、角度、飛距離などが計測できる高性能弾道測定器「トラックマン」の数値もピカイチ。真っすぐの回転数はパ・リーグ最多勝を獲得した菊池に匹敵するほどで、鹿取GMも「勝敗に表れないところも評価している」と話していた。「ローテーションを守れる」とも評価しており、最大限の誠意をもって交渉に臨んできた。
関係者の話を総合すると、3年契約で総額4・5億円の条件を提示。今年の年俸が5000万円(推定)だった右腕からすれば、VIP待遇であり、それだけの期待値を示した結果だ。今季14勝を挙げたマイコラスの去就が不透明な中、球団側の補強ポイントと合致。17勝で最多勝のタイトルを取った菅野、13勝の田口、2年目を迎える畠や山口俊らとともに、スターターとして大きな期待がかかる。
巨人は今秋、若手主体の宮崎キャンプでチームの底上げを図った。中川や高卒2年目となる大江、高田も楽しみな存在になってきた。投手王国を形成するためにも、高いレベルでの競争が必要で、野上の獲得は投手陣に相乗効果を生むはず。内海や大竹寛、杉内らも含めて、来春キャンプからしれつな争いが展開される。
また、巨人は4番を打てる野手の補強も継続して行っていく。現時点では、中日のゲレーロに興味を示している。24日に中日・森監督が「マネーゲームはしない。自然にそうなると思う」と再契約しない方針を示しており、保留者名簿から外れるのを待って、本格的に動き始めるもよう。新しい巨人軍を作るべく、幸先良いスタートを切った。
◆野上 亮磨(のがみ・りょうま)1987年6月15日、福岡県太宰府市生まれ。30歳。2005年神村学園でセンバツ準V。08年日産自動車からドラフト2位で西武入団。今季は1年間先発ローテを守り、自己最多タイの11勝(10敗)、防御率3.63の成績でリーグ2位に貢献。妻で元「モーニング娘。」の石川梨華は第1子を妊娠中。177センチ、74キロ。右投右打。今季年俸は5000万円。
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