「SMBC日本シリーズ2017」の第2戦(ヤフオクD)は、ソフトバンクがDeNAに競り勝ち、2連勝を飾った。2―3の7回2死満塁で中村晃が右前安打。二塁走者の今宮は本塁タッチアウトと判定されたが、リプレー検証の結果、セーフに判定が覆る“神ヘッドスライディング”で逆転に成功。DeNAは、CSでズバズバ決まったラミレス監督の継投策がはまらなかった。30日は移動日で、第3戦は31日に横浜に舞台を移して行われる。
判定が覆った瞬間、ベンチがお祭り騒ぎになった。約7分間の長いリプレー検証。一度はアウトとジャッジされた今宮の生還が認められ、逆転に成功すると、ヤフオクDが大歓声に包まれた。一塁ベンチの工藤監督が左拳を突き上げ、二塁ベース上の中村晃は「セーフ」と両手を広げた。
7回に1点差に詰め寄り、なおも2死満塁。中村晃が痛烈な打球を右前に運んだ。逆転の走者となる二塁走者の今宮は「少しでも可能性のあるヘッドスライディングでいった。手首だったのでもしかしたら(セーフ)と思った」と頭から猛然と本塁へ飛び込んだ。“神の左手”が一瞬、ベースを触っていた。指揮官も「あの当たりでかえってくるのは難しいが、気持ちで勝ち取ったセーフ」と今宮をたたえた。
指揮官の執念が実った。日本シリーズ開幕前日(27日)の監督会議。「シーズン中にリプレー検証をお願いしても『必要ない』と言われたことがある。ギリギリのプレーはお願いしたい」とリプレー検証の必要性を念押ししていた。3回2死一、二塁からの松田の左翼ポール際への特大ファウルは判定が覆らなかったが、2度目のリプレー検証が勝利を決めた。周到な準備で逆転勝ちを演出した。
タクトもさえた。相手投手が今永から三上に代わった7回先頭の江川への代打。28日の初戦で2ランを放った長谷川勇ではなく、無安打だった明石を選択した。その代打用兵が成功。左中間二塁打で出塁し、逆転劇を呼んだ。続く代打・城所には「城所くんの足ならうまくいけば一、三塁にできる」とセーフティーバントを指示。次々と手を打ちDeNAを追いつめた。
10得点で快勝した第1戦とは対照的な接戦を制し2連勝。セ3位のDeNAに地力の差を見せつけ、横浜スタジアムに乗り込む。「横浜で優勝を決めたいが、ヤフオクドームのファンの前で胴上げしてもらいたい気持ちもある」と複雑な胸中も明かした工藤監督。だが、胴上げは本拠地でも敵地でもいい。ただその視線は2年ぶりの日本一奪回だけを見据えている。(戸田 和彦)
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