日本サッカー協会は31日、親善試合ブラジル戦(10日、フランス・リール)、ベルギー戦(14日、ベルギー・ブルージュ)の日本代表メンバー25人を発表した。バヒド・ハリルホジッチ監督(65)はFW本田圭佑(31)=パチューカ=、MF香川真司(28)=ドルトムント=、FW岡崎慎司(31)=レスター=を招集外とした。強豪国に挑む今回の遠征は来年6月のロシアW杯への重要な強化試合で、選外の“BIG3”はW杯出場がピンチだ。
代表メンバー表から本田、香川、岡崎の名前がそろって消えた。ざわめく報道陣を前に、ハリルホジッチ監督は言い切った。「これが競争だ。名前がどうあれ関係ない」。国内組だけの大会を除き、代表の常連だった“BIG3”が同時に外れたのは、岡崎が初招集された08年10月9日UAE戦以来初。3人には選外の理由を説明しているとはいえ、W杯本番を見据えた重要な2連戦で“構想外”となった意味は大きい。
来年5月予定のW杯メンバー発表を前に、海外組を呼べる残された機会は同3月の2試合。指揮官は「3月以降はメンバーを固定する」とし、海外組には今回の遠征が“最後”のアピールの場だったが、指揮官は森岡、長沢らのテストを選んだ。「他の選手を試すのも理由だが、(3人は)前回の合宿であまり評価していない。本来のパフォーマンスを見つけるべき。他の選手より良いパフォーマンスを出し続ければ、ここにいる」と斬り捨てた。
最も厳しい状況に立たされたのが、10月の親善試合に続き呼ばれなかった本田だ。ACミランから今季加入したパチューカで出場機会も増え、公式戦2戦連発で発表を迎えた。それでも、指揮官にとっては欧州ではなく、メキシコに移籍した時点で印象は良くない。さらに、関係者は「監督はビジネスに力を注ぐことを快く思っていない。サッカーに集中してほしいと考えている」と明かした。オーストリア、カンボジア、ウガンダのクラブの実質的なオーナーに就任するなどピッチ外の積極的な活動が問題視されているという。別の関係者によれば、本田はハリル監督と話し合いの場を持ち中盤の起用を強く訴えたというが、指揮官の構想にないこともマイナス要因だ。
香川、岡崎は欧州リーグ所属で移動の負担は少ないが、招集外となった。関係者によれば、指揮官は「今のままでは本田と香川は呼ばない」と漏らしているといい、香川の代表でのパフォーマンスにも不満を持っているようだ。岡崎はリーグ戦で8試合4得点を挙げているが、強豪国と戦う上で高さなどを考慮した結果、外れた。「選考は悩んだが、ただでポジションは与えない」と指揮官。3人で代表通算291試合、合計114得点を誇り、10年近く代表を支えてきた“BIG3”はロシアにたどり着くのか。日本サッカー界が大きな転換期を迎えている。
◆BIG3の現状
▽岡崎 レスター(イングランド)ではリーグ戦8戦4得点で、自身最多の5得点(15―16季)に王手。代表では50得点目を奪った17年3月のタイ戦(埼玉)以来、足踏み。
▽本田 パチューカ(メキシコ)では29日のリーグ、サントス・ラグナ戦で、カップ戦に続き公式戦2戦連発。先発に定着しつつある。代表では9月のW杯最終予選、サウジアラビア戦を最後に呼ばれず。
▽香川 ドルトムント(ドイツ)では28日のリーグ、ハノーバー戦で後半開始から途中出場。今季リーグ7戦2発も、ベンチスタートが目立つ。代表では10月のハイチ戦(日産ス)で同点弾。
◆過去W杯2大会のメンバー選考 メンバー登録は23人。14年ブラジル大会のザッケローニ監督は、国内組だけで臨んだ13年7月の東アジア杯を経て、同9月の親善試合(グアテマラ戦、ガーナ戦)に呼んだ23人中22人を本大会に招集。固定メンバーを重用した。10年南ア大会の岡田武史監督は、09年11月の南ア遠征21人のうち18人を本大会に選んだ。チーム状況に応じた選手の入れ替えもあった。
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