体重無差別で柔道日本一を決める伝統の全日本選手権は29日、東京都千代田区の日本武道館で行われ、2016年リオデジャネイロ五輪銀メダルの原沢久喜(25)=日本中央競馬会=が決勝で王子谷剛志(25)=旭化成=を破り、3年ぶり2度目の優勝を果たした。王子谷は井上康生以来15年ぶりの3連覇を逃した。
原沢はリオ五輪後に陥った不振から復活を遂げ、2年後の東京五輪へ再スタートを切った。元世界王者の父、直也氏との史上初の親子制覇を目指した小川雄勢(21)=明大=は3位だった。
原沢久喜の話「すごく調子が悪くて苦しんだ。疲労困憊だったが、ここまで闘えたことに、少し涙がこぼれてしまった。気持ちだけで闘い抜いた。東京五輪に出たいという一心。五輪に向けてこのまま突っ走っていけるように、全てを柔道に懸けていきたい」
井上康生・男子日本代表監督の話「原沢は非常に苦しい闘いだったと思うが、乗り切って勝ち切った。一皮むけた彼を見ることができた。世界選手権代表は東京五輪を見据えており、常勝チームをつくっていくことが大事。2019年、20年につながる1年にしたい」
金野潤・全日本柔道連盟強化委員長の話「原沢は苦しい試合で集中力を欠かなかったのが、何よりも評価できる。これから稽古を積めば技の切れも戻ってくる。現時点でできる最高の柔道をしてくれた」
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