サッカーW杯ロシア大会に出場する日本代表監督を9日に解任された、バヒド・ハリルホジッチ前監督(65)が26日午後4時から都内で会見を開いた。同氏は、日本サッカー協会(JFA)田嶋幸三会長(60)に3月のベルギー遠征に来てほしいとリクエストしたものの「別件があるから」と断られたと明かした上で「コミュニケーション不足」というあいまいな理由で自らのクビを切った同会長への不満と怒りをあらわにした。

 ハリルホジッチ氏は「会長にベルギーに来てもらおうと思った。『(ワールドカップの)準備へ一直線…ぜひ来てほしい』と言ったが『別件があるから』と来てくれなかった」と、今でも残念そうに口にした。同氏は、その発言の前に「何人かの選手が不満を言ったとは聞いている。選手は2名、いるのでしょうか? 不満を漏らしている選手は2名か?」、「(2名の選手は)会長とやりとりしていて」などと、自らに不満を持つ代表選手と田嶋会長との“内通”を主張していた。

 その上で「忘れていた。2月に海外組の長谷部、吉田、川島らベテランがどうしているか調査した。モチベーションは高かった。なぜか1カ月後(JFAは、選手との)コミュニケーションを失ったと言う。どなたとのコミュニケーションが薄まったのか?」と、田嶋会長が9日の解任会見で指摘した選手とのコミュニケーション不足という解任理由について、あり得ないことをあらためて強調。「4週間で、どこまで行けるか分かっていた。ワクワクしていたら、突然、会長が来て、さようなら…何でなんでしょうかね? 私が知りたい。皆さん、教えて下さい」と訴えた。

 今回の解任については、日本代表の歴代監督にも話しを聞いたという。「他の歴代監督にも話を聞いたが『分からない』という。サポーター、日本の皆さん、この時期にどうしてなんですかね? こういった結果でいいのでしょうか? 舞台はワールドカップです。今の私の心持ちを、分かってもらえるでしょうか?」と声を大にして訴えた。

 ハリルホジッチ氏は「街で出会う1ファンが、私にどういう声掛けをしてくれているか見れば分かるはず。この段会で、協会はかなり大きなリスクを背負ったと思う」とJFAへの不信感と疑問を重ねて強調。「フランスでは『日本って、こんなことが起こるの?』と言われた。日本はお互い、尊重する国だと聞いていた。いかがなものかと皆さんに問いかけたい。ウクライナに負けたんでしょ? と結果を言われたら理解できた」と、采配した試合の結果ではなく、選手のコミュニケーション不足という理由で自らを本大会直前に解任した、田嶋会長を批判した。【村上幸将】