
<オリックス9-7ソフトバンク>◇9月30日◇京セラドーム大阪
京セラドーム大阪が騒然とした。ソフトバンク戦に2番手として登板したオリックスのドラフト5位ルーキー小林慶祐投手(24)が、打球直撃のためグラウンドから救急車で搬送されるアクシデントがあった。
5回途中から先発山岡を救援し、2イニング目となった6回、先頭高谷の投手返しの打球が右まぶたの上付近を直撃。打球は右翼まで転がった。小林はマウンド付近で倒れ込み、福良監督やナイン、トレーナーが急行。出血も見られた。
救急車をグラウンドに入れる異例の措置が取られ、救急車が姿を見せると、スタンドからは拍手。さらに“コバヤシ・コール”も起こった。15分間の中断後、3番手の沢田が登板し試合は再開された。
小林は大阪市内の病院に搬送され、精密検査などを受けた。頭部CT検査の結果、脳に異常はなく、右まぶた上の打撲による裂傷と診断され、患部を8針縫った。その後京セラドームに戻った。患部は痛々しく腫れていたが、帰り際に小林は「異常がなくてよかったです」と話した。1日以降の動きは状態を見て決める。
チームは小林降板後、5点差を追い上げ、8回に吉田正、マレーロらの活躍で逆転勝利。吉田正が「このままでは終われない雰囲気はありました」と言えば、マレーロも「小林が無事であることを祈っていた」と話した。福良監督も「全員があきらめないでやってくれたのでは」と選手の頑張りをたたえた。【高垣誠】
◆小林慶祐(こばやし・けいすけ)1992年(平4)11月2日生まれ、千葉・佐倉市出身。八千代松陰-東京情報大を経て入った日本生命で、15年日本選手権Vに貢献。翌16年ドラフト5位でオリックス入団。5月13日西武戦で初登板し、同31日ヤクルト戦でプロ初勝利。今季年俸は1000万円(推定)。187センチ、86キロ。右投げ右打ち。
<過去の球場内救急車>
◆フェンス激突 77年4月29日の大洋-阪神戦(川崎)で9回裏、1死一塁から代打清水の飛球を追った阪神佐野左翼手が背走して捕球後、頭からコンクリートのフェンスに激突。頭蓋骨骨折で気を失った。
◆顔面激突 14年3月30日、巨人-阪神戦(東京ドーム)の2回裏、2死一、二塁から巨人大竹の飛球を追った西岡二塁手が、福留右翼手と顔面から激突し、後頭部を地面に強打。あおむけのまま動けず、救急車に運び込まれた(診断は鼻骨骨折、胸部打撲、左肩鎖関節脱臼)。
◆開始13分で… 14年8月13日、中日-DeNA戦(ナゴヤドーム)の1回裏、中日大島の打球を追った筒香左翼手は、梶谷中堅手と激突し、後頭部が地面にたたきつけられた。医師がその場で診察し、市内の病院へ搬送された(診断は脳振とうと頸椎=けいつい=振とう)。
◆メジャーでは 石井一久がドジャース1年目の02年9月8日、アストロズ戦でハンターの打球を頭部に受け、その場に昏倒(こんとう)。マウンド上から救急車で病院に搬送され、頭蓋骨の小さな亀裂と鼻骨骨折が見つかり、2時間の緊急手術を受けた。
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