自身の日本記録が破られてもカネボウの高岡寿成監督は、すがすがしい表情だった。「おめでとうございますと伝えたい。日本のマラソン界のために非常によかったと思う」。16年ぶりに扉を開けた設楽悠を素直に祝福した。
進境を示したのは設楽悠だけではない。井上は日本歴代4位の2時間6分54秒をマーク。9人が2時間10分台を切った。日本陸連の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダーは、16年の就任当時は不安だったと明かしつつ、「日本の底上げがちゃんとできていると思う」と手応えを語る。
マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)の出場権を懸けた今大会のように、五輪の数年前から緊張感を持つように仕向けてきた。日本実業団陸上競技連合が15年に立ち上げた報奨金制度も後押しとなった。日本記録を更新した設楽悠は、アマチュアとしては破格の1億円を手にする。
昨年12月の福岡国際では大迫傑(ナイキ・オレゴン・プロジェクト)が2時間7分19秒を記録するなど、明るいニュースが続く。瀬古氏は「これからが日本の男子マラソンの復活だと思っている」。東京五輪をにらみ、高らかに宣言した。(2018/02/25-16:37)

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