2018年2月25日日曜日

勝負に徹し、記録も手に=諦めなかった設楽悠-東京マラソン

28キロ付近、先頭集団で力走する設楽悠太(右端)=25日(代表撮影)

 設楽悠はゴール直前に右手人さし指を天に向けた。2時間6分11秒。高岡寿成が2002年から保持していた日本記録を5秒更新すると、精根尽きたように地面に倒れ込んだ。
 好記録が狙える高速コースでも「記録より勝つことを意識した」。初マラソンだった前回大会で終盤に抜かれた井上に雪辱し、優勝することを最大の目標に置いた。
 世界記録更新を狙っていたキプサング(ケニア)が16キロすぎでリタイア。ペースメーカーの速度が落ち、設楽悠は井上やアフリカ勢とともに先頭集団を形成したが、30キロ付近でやや遅れた。
 この窮地にも「厳しいかなと思ったが、どこか余裕もあった」と諦めなかった。38キロすぎに井上を捉え、40キロ付近でキプケテルとA・キプルトのケニア勢を抜いた。チュンバには及ばなかったが、「このままいけば、いい記録が出ると思った」。勝負に徹した姿勢が、歴史に名を刻む記録につながった。
 練習で追い込むストイックなタイプではない。今月は丸亀国際ハーフと唐津10マイルに出場。実戦を重ねてレース感覚を磨き、フルマラソンでは前半から果敢に攻める。日本陸連の瀬古マラソン強化戦略プロジェクトリーダーが「怖さを感じずに走れる。常識にとらわれない選手」と評する度胸の良さが備わっている。
 東京五輪に向け、名実ともに男子マラソンを引っ張る存在になった。今後の目標を問われ、「みなさんが思っている以上のタイムが出せると思う」。自信に満ちた表情で言い切った。(2018/02/25-17:26)

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