
平昌五輪カーリング女子の3位決定戦、日本(LS北見)―英国戦を東大カーリングサークルが母体の「チーム東京」のメンバーがリアルタイム解説中です。藤沢五月(26)らのプレーを分析します。質問も受け付けます。ツイッターでハッシュタグ「#東大カーリング」をつけてつぶやいてください。
サウスポーの妙
英国のサード、スローンは左利きだ。ハック(投げる時に足で蹴る足場)は左右に二つあるが、左利きの選手は右側、右利きの選手は左側のハックを蹴らないといけない決まりがある。
第2エンド、スローンは右側のハックを蹴って、ハウス左側のコーナーガードの裏に完全に石を隠すことができた。石が、より角度のある軌道を描いて、きれいに裏に回り込めたのは、右側のハックを使えたから。「この1投が、英国が日本にこのエンド1点だけを取らせるキーショットになった。右利きの選手が左側のハックを蹴って同じ軌道の石を投げるのは難しい」。日英通じて、ただ一人のサウスポー、スローンのショットがこの先もカギを握るかもしれない。
スキップだけ長袖?
「スキップの人だけ長袖なのは、そういう決まりですか?」との質問を読者からいただきました。
お答えします。「そういう決まりはありません。ただ、会場の気温は約10度。基本的にスイープをしないスキップにとっては、長袖を着ないと、かなり寒いです。スイープをしている人がみんな半袖なのは、それだけスイープにエネルギーを使っているということです」
《第1エンド》
日本は先攻。注目のリード吉田夕梨花の第1投はハウス手前のセンターに、ガードストーンを置いた。ここまでは昨日の準決勝と一緒。でも相手の出方が今日は違った。
「韓国はその裏にカムアラウンドしてきたが、英国は裏に回り込まずに、ハウスの中に入れてきた。『いつでも打って(石をはじき出して)いいですよ』というサインです」
「英国はかなりディフェンシブな立ち上がりです。このエンドは勝負しない、氷の様子を見ながら、ゆっくり攻めていくという選択をした」
ブランクエンド(両チーム無得点)を狙った英国に、1点だけ取らせた。第2エンドで後攻の攻撃権をとる、いい立ち上がりになった。
審判はどこに?
今夜もさっそく、読者の方から質問をいただきました。
「どうして審判がいないのにスコアボードがあるのですか?(後略)」
カーリングにも審判、いるんです。チーム東京の岩永直樹(33)が答えます。
「審判、います。でもカーリングは両チームの選手同士によるセルフジャッジで進む競技なので、基本的に審判は介入しません」「選手たちが目視で判断できない場合の計測、選手が石に触ってしまったなど反則があって選手同士で解決できない場合などに登場します」。よく見ると、この平昌五輪でもスコアボードの横に、黒い服を着た審判が座っていますね。
英国戦のポイントは?
チーム東京の岩永直樹は英国戦について「メダルのかかる試合としては、昨日の韓国戦に続き2回目となります。今日は、ゲーム全体、特に序盤のペースをきちんとつかめると思うので、韓国戦よりも良いパフォーマンスが期待できる」。そして、「泣いても笑っても最後の試合という思いがあるでしょうから、昨日よりも笑顔あふれる、やりきった、と言えるような試合にしてくれるはずです」。
東大式、今日は1人…
女子のLS北見や、男子のSC軽井沢クラブを知り尽くす「チーム東京」のメンバーによる「東大式 すべらないカーリング観戦術」。日本女子がメダルをかけて臨む今夜の3位決定戦、日本―英国戦のライブ解説で最終回を迎える。
ところが……。いつもは3人に解説をお願いしているが、スキップ神田順平(33)とリード橋本祥太朗(30)は今夜、長野・軽井沢のカーリング場に向かった。「メダル獲得の瞬間にぜひ立ち会いたかったのですが、仕事が忙しくて週末にしか練習ができないので……」。本気で2022年北京冬季五輪出場を狙っているから仕方ない。
そんなわけで、今夜はチーム創設メンバーでもある岩永直樹が一人でお送りいたします。(構成・平井隆介)
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