
○巨人8-4阪神●(東京ドーム・31日)
試合後のヒーローインタビュー。沢村が「ご無沙汰しています」とファンにあいさつすれば、上原も「お久しぶりです」とはにかむ。劣勢をはね返し、今季初白星をつかんだ巨人。流れを作ったのは、帰ってきた2人の救援投手だった。
同点とした直後の七回、昨季は右肩の故障で1軍出場がなかった沢村が登板した。最速152キロの直球とスプリットを駆使して糸井、ロサリオを2者連続の空振り三振。怖い中軸を3者凡退で退け、復帰登板を飾った。
その裏に勝ち越し、八回は日本で10季ぶりの登板となった上原。大山をスプリットで3球三振に仕留めるなど3人を11球で片付けると、右拳を握ってほえた。ベンチでも、荒々しくハイタッチを交わして盛り上げる。直後に岡本が3ラン。勝利は決定的となった。
昨季は救援のマシソンとカミネロの負担が大きかったが、この日はマシソンを温存。高橋監督は「そういう投手がたくさんいて、うまく回ってくれると、戦い方は考えやすい」と手応えを深める。
2016年セーブ王の沢村は「与えられたところで頑張る」と意気込んだ。米大リーグで活躍した上原も「便利屋になる」とフル回転を誓う。ぐっと厚みを増した「勝利の方程式」。巨人の新たな強みが早くも力を発揮した。【細谷拓海】
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