
衣笠祥雄さんの突然の死に、球界関係者からは悼む声が相次いだ。
チームメートとして3年間、監督として2年間、ともに広島で過ごした阿南準郎さん(80)は「監督として引退まで付き合ったが、鉄人そのものだった」と振り返った。監督就任を要請され迷っていた時に、衣笠さんと山本浩二さんから「任せてください」と背中を押されたと言う。「そのおかげで監督になり1986年のリーグ優勝も経験できた。記録にも立ち会わせてもらい、一緒に野球をやれたことは一つの勲章みたいなもの」と感謝した。
広島時代に一緒に戦ったソフトバンク・達川ヘッドコーチは、こよなく野球を愛する衣笠さんの姿が印象に残っている。「野球の話がすごく好きで、マウンドでもいろいろなアドバイスをくれた。人を悪く言うことはなく、試合中も穏やか。野球を一番愛していたのは衣さんだった」と懐かしんだ。
同じく元広島の池谷公二郎さん(65)は「体が頑丈そうに見えても、実はテーピングだらけだったりした。毎日出るのはそれだけ大変なこと。病気のことは聞けなかったが、少しでも長く生きてほしかった」と肩を落とした。
けがにも負けず試合に出続け、国民栄誉賞を贈られた衣笠さん。同じく国民栄誉賞を受賞した元巨人監督の長嶋茂雄さん(82)は「心優しい人で、巨人戦で死球を受けた時は、カープのベンチを自らなだめながら笑顔で一塁へ向かう姿が忘れられません。芯が強く、優しい心を持っているいい男、ナイスガイでした」とコメントを寄せた。またソフトバンクの王貞治球団会長は「ライバルになっても食事をしたりして、いろんな話ができた。一本足打法の考え方も隠すことなく自分のことは伝えられた。もっともっと話しておけば良かった」と悼んだ。
外国人選手最多となる985試合連続出場記録を持つDeNA・ラミレス監督は「日本を代表するレジェンドの選手。日本人のロールモデルになる方で、多くの子供たちに尊敬される方。非常に残念です」。巨人の高橋監督は「山本浩二さんと2人で広島の象徴というか、カープというとその2人がぱっと浮かぶ。元祖・鉄人ですよね」と語った。
楽天の梨田監督は「2215試合連続出場は並大抵ではないですし、けがをしても辛抱強いその姿を見て、今の強い広島の礎が築かれたと思う」。ロッテの井口監督は「突然の悲報に接し、大変驚いております。数々の偉業を成し遂げられた姿は今でも覚えています。最近も仕事をされていたと聞いていましたので残念でなりません。心よりご冥福をお祈り申し上げます」と話した。【浅妻博之、生野貴紀、松倉佑輔】
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