2018年2月1日木曜日

貴乃花親方、ニコニコ会見の裏で秘策 伊勢ケ浜一門切り崩す…2日理事選逆転当選へ

 大相撲の貴乃花親方(45)=元横綱=が、劣勢が予想される日本相撲協会の理事候補選挙(1日立候補受け付け、2日投開票)で、伊勢ケ浜一門をターゲットに切り崩し工作を進めていることが31日、分かった。両国国技館で春場所(3月11日初日・エディオンアリーナ大阪)の番付編成会議が行われ、弟子の貴公俊(たかよしとし、20)の新十両昇進が決まり、部屋での会見に同席。満面の笑みを浮かべ秘蔵っ子を見つめたその裏では、逆転当選への秘策を推し進めていた。

 吹っ切れたような笑顔が印象的だった。新十両会見で質問に答える貴公俊。その姿を見つめた貴乃花親方は「受け答えをしっかり言ってるなあと思って、感心していました」。元横綱・日馬富士関の暴行問題以後、口を閉ざして険しい表情を浮かべていたイメージとはほど遠い。報道陣から笑顔について聞かれると「普通にしているとニコニコしていると言われる。今日は弟子と一緒に十両昇進の会見をできたことは、とってもうれしい」とほほ笑んだ。

 前日1月30日夜の貴乃花一門の会合で、貴乃花親方と阿武松(おうのまつ)親方(56)=元関脇・益荒雄=の2人を2日の理事選に擁立することを確認した。しかし、貴乃花親方の持ち票は立候補予定の11人中最少の5票。当選ラインは9票とみられ、他の一門から協力を得るしかない。基礎票11の貴乃花一派と錣山親方(元関脇・寺尾)ら無所属の連合はこれまで計3度も会合を開催。出席者によると、暴行問題に端を発する騒動で理事解任となった貴乃花親方に対し、一門の総意で「少し休んでみては」と出馬辞退を迫った。1期限定を基本線とし、阿武松親方の一本化でまとまった。

 だが貴乃花親方は不祥事が相次ぐ角界を憂い、かたくなだった。落選覚悟の立候補によって投票に持ち込み、親方衆に信を問う道を選択。30日の会合出席者によると、「この状況での無投票は避けるべきだ。私は選挙に出ます。皆さんは阿武松親方に入れてください」と熱弁したという。

 1日の立候補受け付けが迫る中、逆転のシナリオを着々と進めているという情報がある。複数の協会関係者によると、狙いを定めたのは高島親方(元関脇・高望山)を立てて9票を固めた伊勢ケ浜一門だという。「当初は伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)も出ようとしていたほど、まとまりがない。切り崩すなら一番可能性がある」と関係者。不満を抱く親方にアプローチをかけ、“造反”させれば逆転当選の道は開ける。

 貴公俊の会見に出席後、出馬について問われると「この話は勘弁してください」と遮った貴乃花親方。笑みは自信か、それとも―。選挙戦は最後の最後まで予断を許さない。

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