<2018 第90回記念センバツ高校野球>
第9日の31日、九回まで無安打無得点投球を演じた彦根東(滋賀)のエース、増居翔太投手(3年)。花巻東(岩手)に延長十回でサヨナラ負けを喫したが、14三振を奪った。物おじしない快投左腕は、ノーヒット・ノーランを逃したけれど、夏は“パーフェクト”なピッチングを目指す。
滋賀県彦根市出身。小2の時に友人に誘われ、地元の稲枝(いなえ)東スポーツ少年団で野球を始めた。監督の大橋治彦さん(55)によると、入団当初から整ったフォームで投げた。打撃は不得意だったが、「しっかり体に覚えさせんといかんぞ」と強い調子で指示すると、1週間後には完璧なスイングにしてきた。その後、主軸打者に成長、投げては5年時からエースとして活躍した。
昨夏の甲子園は2試合に登板。「先輩に引っ張ってもらっていた。センバツは自分が先頭に立つ」と臨んだ今大会。細身だが、今冬で体重を約6キロ増やし、初戦の慶応(神奈川)戦にも完投した。
性格はひょうひょうとしている。「感情を出さず、ポーカーフェースなんです」と母の利佳子さん。センバツ初戦直前も、宿舎近くの大阪城公園で他の選手たちが素振りしたり、シャドーピッチングをしたりするなか、ソメイヨシノに見入り続ける場面もあった。
「集中力があると教員間で話題になっている。九回のピンチを乗り切ったのも鍛え上げた成果だろう」。スタンドで観戦していた彦根東教諭、松田晋哉教諭(28)は話す。
こだわりは強いようで、トレーナーの山根寛治さん(55)によると、慶応戦のウイニングボールは「いらない」と断る一方、試合中に自己最速の140キロを記録したボールは欲しがったという。
増居投手は試合後、「集中力や体力が切れてしまった。夏に向けて進化しないといけない」と語った。春の課題は夏までに解決してくるつもりだ。【小西雄介、畠山哲郎】
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