プロ志望届を手に笑顔の広陵の中村=広島市で |
今夏の全国高校野球選手権大会で1大会個人最多記録を更新する6本塁打を放ち、広陵の準優勝に貢献した中村奨成捕手(3年)が29日、広島県高野連に提出するプロ志望届に署名し、日本高野連のホームページの提出者一覧に掲載された。
走攻守そろった逸材は10月26日のドラフト会議で1位指名が有力視される。憧れ続けてきた世界へ挑戦する決意表明の場。中村は手に汗を握りながら、力強い口調で言い切った。
「プロ志望届を書いてみて、この世界でやっていけるのか不安はありますけど、書いたからには頑張ってやっていきたい。まずは1軍に上がることを目標としたいです」
進路選択に迷いはなかった。「甲子園に出場する前から決めていた」。意志を固めて臨んだ今夏の甲子園では、強打強肩の怪物捕手として全国にその名をとどろかせた。だが代表入りしたU−18W杯では課題に直面。木製バットで臨んだ同大会は25打数3安打。「木のバットで打つのは難しかったです。日本に帰ってきてから練習して打てるようになってきた。体も他の選手よりも細かったので」。現在は木製バットで打ち込み、体を大きくするために後輩たちと一緒にトレーニングを継続している。
押しも押されもせぬ高校ナンバーワン捕手。中日の白井文吾オーナーは、同じく1位候補の早実・清宮幸太郎内野手(3年)がプロ志望を表明した際に「欲しいんだけどもう1人いる。いろいろな意見がある」と、中村への関心を示した。広島の松田元オーナーは「地元から久々に出た才能のある捕手。守備力も素晴らしいし、肩も強い」と高く評価している。
中村自身は「1位候補として書いてくれているのはすごくうれしい。どこでも大丈夫です。自分を厳しく指導してくれる球団に選んでいただけると一番ありがたい」。12球団OKの姿勢を表明し、気持ちを高ぶらせた。
◆3日に広陵高訪問調査書手渡す予定 竜・音スカウト
中日は、担当の音スカウトが10月3日に広陵高を訪問。中井監督を通じて調査書を手渡す予定にしている。音スカウトは「捕手としての能力、資質は変わらず高く評価しています」と話した。
<中村奨成(なかむら・しょうせい)> 1999(平成11)年6月6日生まれ、広島県出身の18歳。181センチ、78キロ、右投げ右打ち。小学1年時に野球を始め、中学時代は軟式の大野シニアに所属。広陵では1年の春からベンチ入りし、夏から正捕手。好きな選手は同校の先輩、巨人・小林誠司。
<プロ志望届> 日本高野連は29日、連盟ホームページ上の「プロ野球志望届提出者一覧」を更新。ドラフト上位候補に挙がる九州学院(熊本)の村上宗隆捕手や北海(北海道)の阪口皓亮投手ら7人が加わり、計80人となった。また全日本大学野球連盟も名簿を更新し、専大・高橋礼投手、東洋大・若原翔平内野手ら8人が新たに提出し、計50人となった。
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