2017年9月25日月曜日

【ロッテ】井口、満弾デビュー&同点弾締め「明日から次の夢」

 井口は最後まですごかった―。ロッテ・井口資仁内野手(42)が、日本ハム戦(ZOZO)で引退試合を行い、2点を追う9回に惜別の同点2ラン。デビュー戦で満塁本塁打を放った男が、プロ生活21年間の最後も一発でファンの度肝を抜いた。日米通算2254安打のレジェンドは、来季から監督に就任する見通しだ。

 ミラクルを超えた。どよめきが収まらない。2点を追う9回無死一塁で迎えた井口の日米通算9612打席目。増井の直球を振り抜き、鮮やかな放物線がバックスクリーン右に飛び込むと、右手で力強くガッツポーズを作った。満塁本塁打デビューから20年。2軍で取り組み直した「もう一度、右方向への強い打球を」―。起死回生の一発が、延長12回サヨナラ劇につながった。

 笑顔を貫いた。サプライズで選手全員が着用した背番号6のユニホームに驚き、3万96人に見守られたフィナーレ。「シーズン中はあの打球は失速していた。自分の思いや、みんなの思いが打球に伝わった。何年か忘れかけていた感触。まだまだやれると思う反面、すっきりしています」と喜んだ。守備に就かなかったのは、自身の美学とチームへの配慮。セレモニーではナインの手で8度舞った。声を詰まらせても、最後まで涙はこらえた。

 少年時代に捕手として野球を始め、事あるごとに高い目標を設定してきた。ライバルは人ではなく数字。「本塁打王を取れるわけじゃない。40盗塁だったり数字を追いかけてきた」。青学大時代の持ち味だった一発を捨て、その先に実現した日米通算2000安打、メジャー、40歳現役の夢。米国で2つのチャンピオンリングを手にした一方、トレードや戦力外も経験した。「自分自身の宝です。本当に最高の野球人生でした」。こんな濃密な経験をしている選手は他にいない。

 心配りも超一流だ。8月に行われた若手選手を中心とした食事会。「一番頑張っているから」。直前に誕生日を迎えていた鈴木のために、自らサプライズでケーキを用意した。2軍でも親子ほどの若手と積極的に対話を重ねた。その鈴木はこの日、サヨナラ打。感無量の4時間2分。最年長野手に歓喜のシャワーが集中し、無邪気にはしゃいで喜びを共有した。

 すでに、次期監督への就任要請を受け、近日中に交渉が本格化する。「小さい頃から夢だったプロ野球選手は今日で終わりますが、また明日から次の夢、目標に向かって精いっぱい頑張ります。選手の皆さん、マリンスタジアムのポールにチャンピオンフラッグを立ててください」。決して終わりじゃない。夢の続きはすぐにやってくる。(田島 正登)

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