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<日本・豪州>前半41分、先制ゴールを決め喜ぶ浅野 Photo By スポニチ |
新世代がW杯の扉を開いた。日本は埼玉スタジアムでオーストラリアと対戦し、2―0で快勝。勝ち点20で、グループ1位が確定し、6大会連続6度目のW杯本大会出場を決めた。FW浅野拓磨(22=シュツットガルト)、MF井手口陽介(21=G大阪)がゴール。若い力がW杯予選未勝利だった難敵を打ち砕き、ロシアへの道を切り開いた。
ポーズが新時代の到来を告げた。W杯出場を決める一撃を決めた浅野はゴール裏まで走り、両手で牙をむき出しにしてみせた。「それを期待している人もいるので、やりたいと思っていた」。興奮は収まらない。そのままチームメートにもみくちゃにされた。「自分がヒーローになると言い聞かせていた」という決意を込めた一撃だった。
前半41分、左サイドで長友がボールを受けた瞬間、抜群の嗅覚で最終ラインの裏を狙って駆けだした。「あそこしかなかった」。最終ラインを1人抜け出し、左足で丁寧に当て、右隅へ。一瞬の動きに相手GKは反応できなかった。スピード。これこそが浅野の武器だ。アーセナルのベンゲル監督が「走り、スピード、体の強さ、アグレッシブさ。最近あれほどDF裏に走り込む選手はいない」とほれ込む才能。今は期限付き移籍でシュツットガルトに所属し、大柄なDF相手に武器を磨き続けてきた。
先発を告げられたのは決戦前夜。最近の最終予選4試合で出場機会は訪れず昨年9月のアウェー・タイ戦以来7試合ぶりの先発出場。「緊張しないように準備するのは無理。ドキドキした」と苦笑いするが、目を閉じれば腹は決まった。「ワクワクしながら寝ていました」。高校選手権では得点王に輝き、15年のJリーグチャンピオンシップでは途中出場でゴールを挙げ、リオ五輪でも連続得点。“持ってる男”としての価値を証明した。
満足に試合に出られない時から自信だけは失わなかった。広島での1年目。リーグ戦出場はわずか1試合だったが、試合に臨むメンバーが張り出される部屋には、いつも自分の名前が書かれていると信じて足を運んだ。「(諦めて)見に行かない人もいるけど、自分はいつも行っていた。全く試合に絡めてなかった時でも“自分を出してくれたら絶対にゴールを決めるのに”と思っていた」。飛躍の原動力は自分を信じる気持ちの強さだった。
過去にW杯決定弾を決めた選手はいずれも本大会の地を踏んだ。「W杯のメンバー発表が本当のスタート地点。そこに立てる準備をしたい」。新世代のストライカーが日本の新たなページを開いた。 【試合結果 W杯アジア最終予選】
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