全日本実業団対抗選手権・男子100メートル(24日)
山県亮太(セイコーホールディングス)は追い風0.2メートル。9秒98を出した桐生は追い風1.8メートルだった。専門家のデータに当てはめれば、山県の10秒00は桐生と同じ追い風1.8メートルなら9秒9を切るタイムに換算される。もちろん、気象条件やトラック、追い風が強すぎて逆にフォームを乱すなど多くの状況差があり単純に比べることはできないが、桐生の日本新記録からわずか2週間後に出した山県のタイムの価値は高い。
直感派の桐生とは対照的に山県は理論派。以前はトレーニングなど一人ですべて解決する傾向があった。だが腰痛を機に一昨年以降、かつてゴルフの石川遼も指導した仲田健トレーナーとともに体幹を強化し、効率良く動ける体の使い方を学び、栄養面も見直した。昨年大会で自己ベストを出すなど停滞していた記録も向上。今春に右足首をけがしたが、落ちた筋力も仲田トレーナーに支えられて回復した。
さらに日本選手権では6位と散々だったことから、フォームも一から見直した。参考にしようと、海外トップ選手の動画を繰り返し見た。その結果、終盤に地面を蹴った足が後方に流れ、前に踏み出せていない悪癖に気づいた。修正して「足が前でさばけるようになってきた」と手応えをつかみ、この日も課題だった終盤の減速を最小限に抑えた。
日本歴代10傑には桐生と山県に加え、サニブラウン・ハキーム(東京陸協)、多田修平(関学大)、ケンブリッジ飛鳥(ナイキ)、飯塚の6人が出した今年の記録が並ぶ。競い合うことで、史上最高レベルに達した現在の日本短距離陣。「10秒の壁」の呪縛から解放された今、次に誰が9秒台を出し、世界と互角に戦える立場に名乗りを上げるかも注目だ。【新井隆一】
山県の主な100メートルの記録
2012年4月 織田記念予選 10秒08(追い風2.0メートル)
8月 ロンドン五輪予選 10秒07(追い風1.3メートル)
2013年4月 織田記念決勝 10秒04(追い風2.7メートル)※
2016年6月 布勢スプリント 10秒06(向かい風0.5メートル)
8月 リオデジャネイロ五輪準決勝 10秒05(追い風0.2メートル)
9月 全日本実業団対抗選手権決勝 10秒03(追い風0・5メートル)
2017年9月 全日本実業団対抗選手権決勝 10秒00(追い風0.2メートル)
※は追い風参考
山県の年次別記録
2011年 大学1年 10秒23(ジュニア日本新、当時)
12年 大学2年 10秒07(日本歴代5位、当時)
13年 大学3年 10秒11
14年 大学4年 10秒14
15年 社会人1年目 10秒36
16年 社会人2年目 10秒03(日本歴代4位、当時)
17年 社会人3年目 10秒00(日本歴代2位)
Read Again https://mainichi.jp/articles/20170925/k00/00m/050/075000c
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